「Difyは無料で使えるの?」「有料プランとの違いは?」この記事では、Difyの料金体系を徹底解説。無料プランから法人向けエンタープライズまで、最適なプランの選び方をご紹介します。
Difyの料金体系概要
Difyには大きく分けて2つの利用形態があります。
- Dify Cloud(クラウド版): Dify社が運営するSaaSサービス。4つの料金プランから選択
- セルフホスト版: オープンソースとして無料で利用可能。自社サーバーにデプロイ
それぞれの詳細を見ていきましょう。
Dify Cloud 料金プラン一覧
Dify Cloudは以下の4つのプランを提供しています(2025年12月時点)。
| プラン | 月額料金 | メッセージクレジット | チームメンバー |
|---|---|---|---|
| Sandbox(無料) | $0 | 200回/全期間 | 1名 |
| Professional | $59(年払い$49) | 5,000回/月 | 3名 |
| Team | $159(年払い$133) | 10,000回/月 | 50名 |
| Enterprise | 個別見積もり | 無制限 | 無制限 |
※上記はDify公式サイトの情報に基づきます。
Sandbox(無料プラン)
Sandboxプランは、Difyを試してみたい方向けの無料プランです。
- メッセージクレジット: 200回(全期間で使い切り)
- ベクターストレージ: 5MB
- アプリ数: 10個まで
- ドキュメントアップロード: 50件まで
- チームメンバー: 1名(自分のみ)
メッセージクレジットは月間ではなく全期間で200回という点に注意。本番利用には向きませんが、機能検証には十分です。
Professional(プロフェッショナル)
Professionalプランは、個人開発者や小規模チーム向けです。
- 月額: $59(年払いで$49/月)
- メッセージクレジット: 5,000回/月
- ベクターストレージ: 200MB
- アプリ数: 50個まで
- チームメンバー: 3名まで
- カスタムツール: 10個まで
- アノテーション回数: 2,000回/月
年払いを選択すると約17%お得になります。
Team(チーム)
Teamプランは、部署やプロジェクトチームでの利用に最適です。
- 月額: $159(年払いで$133/月)
- メッセージクレジット: 10,000回/月
- ベクターストレージ: 1GB
- アプリ数: 無制限
- チームメンバー: 50名まで(以降$9/人/月)
- カスタムツール: 無制限
- アノテーション回数: 5,000回/月
Professionalとの主な違いは、アプリ数の制限がなくなること、チームメンバー枠の増加、より大きなストレージ容量です。
Enterprise(エンタープライズ)
Enterpriseプランは、大規模組織向けのカスタムプランです。
- 料金: 個別見積もり
- メッセージクレジット: 無制限または高上限
- チームメンバー: 無制限
- SSO(シングルサインオン): 対応
- 監査ログ: 対応
- 専任サポート: あり
- SLA保証: あり
セキュリティ要件や大規模運用が必要な企業向けです。
セルフホスト版(無料)
Difyはオープンソースプロジェクト(Apache License 2.0ベース)として公開されており、GitHubからソースコードを取得して自社サーバーにデプロイできます。
セルフホスト時の実質コスト
ソフトウェア自体は無料ですが、以下のコストが発生します。
- サーバー費用: AWS、GCP、Azure等のクラウド、または自社サーバー
- LLM API料金: OpenAI、Anthropic等のAPI利用料
- 運用・保守人件費: アップデート対応、障害対応等
参考として、小規模運用(2-4コア、8GB RAM)であれば月額$50〜100程度のクラウドサーバーで運用可能です。詳しい構築手順はローカル環境構築ガイドをご覧ください。
ライセンスと商用利用
DifyはApache License 2.0をベースに追加条項があります。
- 社内利用: 自由に利用可能
- 顧客向けアプリ開発: 自由に利用可能
- マルチテナントSaaSとして提供: 商用ライセンスが必要
つまり、自社や顧客向けのAIアプリ開発では自由に使えますが、「Difyを使ったAIアプリ作成サービス」を複数企業に提供する場合は商用ライセンスが必要になります。
プラン比較表
| 機能 | Sandbox | Professional | Team | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 月額料金 | 無料 | $59 | $159 | 個別見積 |
| メッセージ/月 | 200/全期間 | 5,000 | 10,000 | 無制限 |
| チームメンバー | 1 | 3 | 50 | 無制限 |
| ベクターストレージ | 5MB | 200MB | 1GB | 無制限 |
| アプリ数 | 10 | 50 | 無制限 | 無制限 |
| カスタムツール | - | 10 | 無制限 | 無制限 |
| SSO | - | - | - | ○ |
| 優先サポート | - | - | ○ | ○ |
どのプランを選ぶべきか
Sandboxがおすすめの方
- Difyを初めて試したい方
- 機能検証・PoC段階の方
- 個人学習目的の方
Professionalがおすすめの方
- 個人開発者・フリーランス
- 小規模チーム(2-3名)での開発
- 月5,000メッセージ以内の利用
- 運用負荷を減らしたい(セルフホスト不要)
Teamがおすすめの方
- 部署・チーム単位での導入
- 複数プロジェクトを並行運用
- 月10,000メッセージ以内の利用
- 優先サポートが必要
セルフホストがおすすめの方
- データを完全に自社管理したい
- 大量のメッセージを処理したい(コスト最適化)
- オンプレミス環境が必須
- インフラ運用ができるエンジニアがいる
Enterpriseがおすすめの方
- 大規模組織(100名以上)
- SSO・監査ログ等のセキュリティ要件あり
- SLA保証が必要
- 専任サポートが必要
コスト最適化のポイント
1. 年払いで17%割引
Professional・Teamプランは年払いを選ぶと約17%お得です。継続利用が見込まれる場合は年払いを検討しましょう。
2. メッセージクレジットの効率的な利用
メッセージクレジットは「Dify内蔵モデルの利用」に消費されます。自分のAPIキーを設定した場合は消費されません。
OpenAI APIキーを自分で設定 → メッセージクレジット消費なし
Dify内蔵モデルを使用 → メッセージクレジット消費
つまり、自分のAPIキーを設定すれば、Sandboxプランでも実質的に制限なく利用できます(API料金は別途必要)。
3. 大量利用ならセルフホスト
月間メッセージ数が多い場合、セルフホストの方がコストパフォーマンスが良くなることがあります。
例: 月10万メッセージの場合
- Dify Cloud Team: 追加クレジット購入が必要 → 高コスト
- セルフホスト: サーバー$100/月 + LLM API料金のみ
よくある質問(FAQ)
Q. メッセージクレジットとは何ですか?
Dify内蔵のOpenAIモデルを使用した場合に消費されるクレジットです。1メッセージ = 1クレジットとしてカウントされます。自分のAPIキーを設定した場合は消費されません。
Q. クレジットを使い切ったらどうなりますか?
翌月まで内蔵モデルが利用できなくなります。ただし、自分のAPIキーを設定したモデルは引き続き利用可能です。追加クレジットの購入も可能です。
Q. プランの変更はできますか?
はい、いつでもアップグレード・ダウングレードが可能です。差額は日割り計算されます。
Q. 返金ポリシーはありますか?
年払いの場合、契約開始から7日以内であれば全額返金が可能です。詳細は利用規約をご確認ください。
Q. 支払い方法は何がありますか?
クレジットカード(Visa、MasterCard、American Express)に対応しています。Enterpriseプランでは請求書払いも可能です。
まとめ
Difyの料金プランをまとめると:
- 無料で試したい → Sandbox(200メッセージまで)
- 個人・小規模チーム → Professional($59/月)
- 部署・プロジェクト単位 → Team($159/月)
- 大規模・セキュリティ重視 → Enterprise(個別見積もり)
- データ管理・コスト最適化 → セルフホスト(無料 + インフラ費用)
まずはDify Cloudの無料プランで機能を試し、要件に合わせてプランを検討することをおすすめします。
Difyの機能詳細はDifyトップページ、API連携ガイド、n8n連携ガイドをご覧ください。最新情報はDify最新ニュースでチェックできます。導入についてのご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。AI BPOサービスやCAIOサービスで導入支援も行っています。
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