n8n × Dify連携ガイド|ワークフロー自動化・Slack・メール連携
n8nとDifyを連携させて、高度な業務自動化ワークフローを構築する方法を解説。Slackボット、メール自動返信、データ連携など実践的なユースケースを紹介します。Difyとは?やAPI連携ガイドもあわせてご確認ください。
n8n + Dify 連携の概要
n8nとは
n8n(エヌエイトエヌ)は、オープンソースのワークフロー自動化ツールです。400以上のサービスと連携でき、ノーコード/ローコードで複雑な自動化を実現できます。
なぜ連携するのか
| ツール | 得意なこと |
|---|---|
| Dify | AIアプリ構築、RAG、LLM活用 |
| n8n | 外部サービス連携、スケジュール実行、データ変換 |
両者を組み合わせることで、「外部サービスからのトリガー → AI処理 → 結果を別サービスへ送信」という高度な自動化が可能になります。
連携のセットアップ
Step 1: DifyでAPIを準備
- Difyでアプリケーションを作成
- 左メニューの「APIアクセス」を開く
- 「APIキーを作成」でキーを発行
- APIエンドポイントURLをメモ
# エンドポイント例
https://api.dify.ai/v1/chat-messages
# または セルフホスト版
https://your-dify-server.com/v1/chat-messages
Step 2: n8nでHTTPノードを設定
- n8nでワークフローを作成
- 「HTTP Request」ノードを追加
- 以下の設定を行う:
Method: POST
URL: https://api.dify.ai/v1/chat-messages
Headers:
Authorization: Bearer {your-dify-api-key}
Content-Type: application/json
Body:
{
"inputs": {},
"query": "{{ $json.message }}",
"response_mode": "blocking",
"user": "n8n-workflow"
}
Step 3: 認証情報の設定
n8nの「Credentials」でDify APIキーを安全に管理できます。
- n8n画面右上の「Credentials」を開く
- 「Add Credential」→「Header Auth」を選択
- Name: Authorization, Value: Bearer {api-key}
ユースケース1: Slackボット
Slackでメンションされたらn8nがトリガーし、Difyで回答を生成してSlackに返信するボットです。
ワークフロー構成
[Slack Trigger] → [HTTP Request (Dify)] → [Slack Send Message]
設定手順
- Slack Trigger: App Mentionイベントを設定
- HTTP Request: DifyのチャットAPIを呼び出し
- Slack Send Message: Difyのレスポンスを同チャンネルに投稿
# Slack Send Messageノードの設定
Channel: {{ $('Slack Trigger').item.json.channel }}
Text: {{ $json.answer }}
ユースケース2: メール自動返信
受信メールをDifyで分析し、適切な返信文を生成して自動送信します。
ワークフロー構成
[Email Trigger] → [HTTP Request (Dify)] → [Gmail Send Email]
Dify側の設定
テキスト生成アプリを作成し、以下のようなプロンプトを設定:
あなたはカスタマーサポート担当です。
以下のお問い合わせに対して、丁寧で適切な返信を作成してください。
【お問い合わせ内容】
{{input_text}}
【返信】
ユースケース3: Notion連携
Notionのデータベースに新規レコードが追加されたら、Difyで処理してNotionを更新します。
ワークフロー構成
[Notion Trigger] → [HTTP Request (Dify)] → [Notion Update Page]
実装例: 記事の要約生成
- Notionに新しい記事URLが登録される
- n8nがDify(RAG + 要約ワークフロー)を呼び出し
- 生成された要約をNotionの「要約」フィールドに書き込み
ユースケース4: スケジュール実行
定期的にDifyワークフローを実行し、レポートを生成します。
ワークフロー構成
[Cron] → [HTTP Request (データ取得)] → [HTTP Request (Dify)] → [Email/Slack]
実装例: 日次売上レポート
- 毎朝9時にCronトリガーが起動
- 売上データをAPIから取得
- Difyで分析・レポート文を生成
- Slackチャンネルに投稿
高度な連携テクニック
ストリーミング対応
長い応答の場合、ストリーミングを使用するとユーザー体験が向上します。
# response_mode を streaming に設定
{
"response_mode": "streaming"
}
# n8n側でSSEをハンドリング
# HTTP Requestノードの「Response Format」を「Stream」に設定
エラーハンドリング
# n8nのIF/Switchノードでエラーを検知
{{ $json.error ? 'Error occurred' : 'Success' }}
# エラー時は別のフローに分岐
[HTTP Request] → [IF] → [Error Handler] / [Success Handler]
会話の継続
conversation_idを保存して、会話を継続できます。
# 初回リクエスト
{ "conversation_id": "" }
# レスポンスからconversation_idを取得
{{ $json.conversation_id }}
# 2回目以降のリクエストで指定
{ "conversation_id": "{{ $node['Previous'].json.conversation_id }}" }
ベストプラクティス
セキュリティ
- APIキーはn8nのCredentialsで管理
- Webhookにはシークレットトークンを設定
- 本番環境ではHTTPS必須
パフォーマンス
- タイムアウト設定を適切に(30秒以上推奨)
- リトライロジックを実装
- 並列処理には注意(Difyのレート制限)
モニタリング
- n8nの実行履歴で成功/失敗を確認
- Difyのログでリクエスト内容を確認
- エラー時のSlack/メール通知を設定
n8n vs Difyワークフロー
どちらを使うべきか判断の参考に:
| 観点 | n8n | Difyワークフロー |
|---|---|---|
| 外部サービス連携 | ◎ 400+のインテグレーション | △ HTTP連携のみ |
| AI処理 | △ 外部API呼び出し | ◎ LLM・RAG統合 |
| スケジュール実行 | ◎ 柔軟なCron設定 | △ 外部トリガー必要 |
| 学習コスト | ○ 中程度 | ○ 中程度 |
結論: 両者を組み合わせることで、それぞれの強みを活かした自動化が可能です。
よくある質問
Q: n8n Cloud と セルフホストどちらがいい?
Difyをセルフホストしている場合は、n8nもセルフホストが推奨です。同じネットワーク内で通信でき、レイテンシが低くなります。詳しくはGitHubガイドをご覧ください。
Q: Zapierとn8n、どちらがDifyと相性がいい?
柔軟性とカスタマイズ性ではn8nが優れています。オープンソースで、複雑なロジックも実装しやすいです。
Q: レスポンスが遅い場合は?
Dify側でストリーミングモードを使用するか、n8nのタイムアウト設定を延長してください。また、Difyアプリの最適化(プロンプト短縮など)も効果的です。
まとめ
n8nとDifyを連携することで、外部サービスとAIを組み合わせた高度な自動化が実現できます。
- ✅ n8n: 外部サービス連携・スケジュール実行に強み
- ✅ Dify: AI処理・RAG・LLM活用に強み
- ✅ 組み合わせで Slack/メール/Notion等との連携が可能
- ✅ HTTPノードで簡単に連携設定
- ✅ セルフホスト同士なら低レイテンシ
Dify API完全ガイドやローカル環境構築ガイドもあわせてご確認ください。MCP連携も別の外部ツール連携方法です。料金については料金プランをご覧ください。最新情報はDify最新ニュースでチェックできます。
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