AI開発でチーム開発を始めました
AI Nativeでも、最近チーム開発を本格的に始めました。
Claude Codeがリリースされたのが今年の5月頃だと思いますが、それから半年弱くらい1人でいろいろなサービスや開発のワークフローを作ってきました。自分の中でタスク管理したり、インフラを整えたり、フルスタックにいろいろ開発してきましたが、これから様々なサービス開発やクライアントワークを広げていくという段階で、チーム開発を本格的に開始しました。
メンバーには、業務委託で外部企業でCTOをやっているメンバーや、過去にいろいろな企業でVPを歴任してきたメンバーがいます。こうした経験豊富なメンバーと一緒に、今AI開発を進めています。
正直、AI Native開発哲学でも書いた通り、AIツールを使えば1人でかなりのことができる時代になってきました。でも、だからこそチーム開発の形も変わってきたなと感じています。
AI開発でのレビューが面白い
AI開発を進めてきて思ったことの一つが、レビューの仕方がいろいろあるなということです。
ルール・ドメイン知識を統合したAIレビュー
これまで自分が作ってきたルールを統合したり、レビュー時にAIのルールを含めてレビューしたり、自分の思っているドメイン知識が含まれたプロンプトでレビューしたり。そういった内容のものを含めたレビューができるようになってきています。
副業のCTO・VPメンバーは、本業や他の副業でもいろいろな開発を進めています。彼らが増えることによって、それぞれが多様なサービスや案件で培った知見を持ち寄ってルール化し、それらを基盤のアップデートに活用できています。
また、弊社のさまざまなプロダクトや案件にもこれから携わっていただきますし、クライアントにもそれを提供していくので、クライアントへの提供価値が確実に上がり続ける仕組みを作れているなと実感しています。
PRレビューの自動化ツール群
自動的にレビューさせるツールも増えてきました。いくつか紹介します。
Cursor BugBot
Cursor 1.0で追加された新機能。PRを自動でレビューし、バグや問題点を検出してフィードバックを投稿してくれます。セットアップ不要でマネージドな自動コードレビューを提供。
Cursor Code Review →Claude Code
/reviewコマンドを使ったローカルレビューや、Claude Code ActionsによるGitHub上のPRレビューが可能。ドメイン知識を含めたカスタムルールでレビューできるのが強み。
Claude Code →今は主にCursorでレビューするようにしていますが、それ以外にも便利なツールが出てきているので、かなりレビューの速度が上がってるなと思っています。
Claude Codeの比較記事でも詳しく解説していますが、ツールによって得意な領域が違うので、使い分けが重要です。
レビュー速度が劇的に向上
これらのツールを組み合わせることで、レビューにかかる時間が大幅に短縮されました。
以前は、PRが来てから人がレビューするまでに数時間〜1日かかることもありましたが、今はAIが即座に一次レビューをしてくれるので、人間は重要な判断に集中できます。
AI時代の開発効率フレームワークで書いた「評価・ルール・結果」の初期設計がここでも効いてきます。
こうした体制から生まれる開発ルール、テストやレビューといった基盤がかなり強化され始めているというところが面白いなと思っています。単にAIエージェントを活用して開発を進めるだけではあまり意味がなくて、開発プロセスの全てをイネーブルメントし、技術的な品質とプロダクトの品質を、いかに最速で上げていけるか。そういう総合的なレビューが求められるようになってきていると思います。
そのスピードを上げていけるというところが、AI開発でのレビューの面白い点だなと感じています。
1サービス1人で開発できる時代
開発スピードはどんどん上がってくるので、チーム開発でもやりやすくなっているなぁと感じています。
副業メンバーでもサービスをリリースできる
ぶっちゃけ、1サービス1人で進められるようになってきたなと思っています。
だから、副業メンバーでもどんどんサービスをリリースしていけるようにする、というのがAI Nativeが今進めていることです。
従来のチーム開発では、複数人でタスクを分担して、コミュニケーションコストをかけながら進めていく必要がありました。でも今は、AIがコミュニケーション相手になってくれるので、1人でも高品質なサービスを作れるようになってきました。
クライアントワークでのAI活用でも書いていますが、複数プロジェクトを並列で進められるのもこの流れの一つです。
開発スピードの加速
開発スピードが上がることで、試行錯誤の回数も増やせます。
1週間かかっていたものが2日でできるなら、その分、より多くのアイデアを試すことができる。これがAI開発の本質的な価値だと思っています。
ビジネス職でもAI開発者になれるで紹介した事例のように、エンジニアでない人でもサービスを作れる時代が来ています。
CEO×開発の役割分担
上流(マーケ・営業・PM)はCEOが担当
マーケティングや営業、PM的なところの上流に関しては、CEOである私がやるべきだと思っています。(上流下流という言い方は好きじゃないですが、わかりやすいために使っています)
こうしたところと戦略の部分に集中することによって、私はPMとして要件定義や仕様を明確にするところまでを担い、開発部分は切り出して実施することが進められます。
とはいえ、初期サービスの開発や「こういう方向性で機能を作りたい」というものは、まず自分で最速で作っておくようにしています。それをどのように開発をスケールさせていくかは、今後は業務委託の方と一緒に考えたりしていきます。
CAIOサービスでも支援していますが、経営とAI開発の接点をどう作るかが重要です。
開発部分を切り出して任せられる
今後、業務委託の方にお願いする内容が、これまでとは変わってきそうだなぁと感じています。
要件定義がしっかりしていれば、開発部分だけを切り出して任せることが、以前よりずっとやりやすくなりました。AIがコンテキストを補完してくれるからです。
今、開発のプラットフォームやルールをどんどんアップデートしているので、そのルールに基づいた開発をAIに任せていく。そういう流れを進めていこうかなと思っています。
AIがあっても副業・業務委託が必要な理由
「AIがあることによって副業が要らないんじゃないか」という声もあるかもしれません。
まぁ、それは一部あるかもしれませんが、私はそう思っていません。
知識・経験・強みの導入
やはり知識の部分だったり、これまでの経験でその人が持っている強みとなる部分。それを導入していくことが、業務委託や副業、プロメンバーに任せられていることだと思っています。
AIは汎用的な知識は持っていますが、特定の業界やドメインに特化した深い知見は、まだまだ人間の経験が必要です。
ルール・プラットフォームとして会社の土台を強化
そういった知見を輸入してもらって、ルールだったり、プラットフォームとして会社の土台として強くしていく。
そのスピードの重要性を、改めて実感しました。
AI Nativeとして、外部の優秀な人材の知見を、会社のルールやシステムとして定着させていく。これがこれからの開発組織のあり方だと思っています。
社長AIに開発知見を蓄積していく
前回のブログにもある通りで、社長AIというものを作っています。
そういったところに、どんどん開発の知見だったり、事業・プロダクトの知見を加えていこうかなと思っています。
チーム開発で得られた知見、レビューで発見したパターン、うまくいった開発手法。これらをすべて社長AIに蓄積していくことで、組織としての学習スピードを上げていきます。
こういったところが、今の進捗になっています。
また、社長AIは経営をいかにスケールできるようにするか、ナレッジや知見を引き継ぐかという視点で開発していますが、もっと現場視点でボトムアップでいかに業務効率を上げて、業務効率化の知見を全体に広げていくかという観点で、Orioというサービスをリリースしました。
Orioについては次のブログで詳しく書きますが、AI推進をクライアントに対してやってきた経験、AI研修やハンズオンでの開発支援をしてきて、必要なものを全部詰め込んでいる——そんなサービスです。
いろいろやってきた中で課題が見えてきたので、それらを解決するために必要だと思い、作っています。
興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

